2019年10月に運営開始しました。

事件から1年!かぼちゃの馬車事件を解説します

「かぼちゃの馬車」事件から1年少しが経ちました。資料や情報が出揃った今だからこそ、具体的な解説が出来ると思い記事へまとめました。さて、30~50代を中心とした700人を破滅へと追い込んだ「かぼちゃの馬車」事件は何が問題だったのでしょうか?実は不動産投資を謡った「ボンジ・スキーム」ではなかったのか?諸々を解説していきます。

ポンジ・スキームとは?

ポンジ・スキームとは、詐欺の一種です。「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加させる別の出資者から新たに集めたお金を(運用せず)以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用が行われ利益が生まれてそれが配当されているかのように装うものをいいます。

投資詐欺の一種に分類され、日本語で「自転車操業」と呼ぶような状態に陥り、最終的には破綻することになります。

スマートデイズとは?

株式会社スマートデイズは、かつて東京都中央区銀座に本社を置いていた不動産会社です。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」のサブリース(不動産転貸)事業などを展開していました。こちらが一連の流れです。

MEMO

2012年08月:スマートライフ設立

2014年05月:「かぼちゃの馬車」をリリース

2017年10月:オーナーに賃料変更の通知書が届く

2018年01月:スマートデイズ社長が交代、オーナーの賃料支払いを停止、オーナー向けの説明会を開催

2018年03月:金融庁がスルガ銀行に報告徴求命令を出す、一部オーナーが損害賠償請求を請求

2018年04月:スマートデイズが民事再生手続開始を申し立て、民事再生法の申請が棄却され、保全管理命令を受けました。

2018年05月:破産手続開始決定を受けました。

2018年06月:関連会社の株式会社ステップライフも東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。

かぼちゃの馬車とは?

かぼちゃの馬車とは、スマートデイズが販売する女性専用シェアハウスのブランド名になります。

物件の特徴

特徴は、敷金・礼金・仲介手数料が無料、個室にはベッドや冷蔵庫といった必要設備が用意され、インターネットや光熱費は管理費に含まれています。

イメージ

CMにて当時人気タレントであったベッキーを起用するなどして、田舎からカバン一つで上京して即入居・即生活がスタートできるキラキラしたイメージ戦略で展開していまいした。

ビジネスモデル

スマートデイズが、資産家や高属性の会社員へシェアハウスのオーナーへなることを勧誘します。契約後、スマートデイズが勧める土地を販売会社から購入し、建築会社と請負契約を結んでシェアハウスを建築します(全て融資)。それをスマートデイズが一括借り上げ(サブリース)して、オーナーに事前約束した賃料を定額で払う仕組みをビジネスモデルとして行っていました。

大半のオーナーへの融資はスルガ銀行が行いました。1棟あたり1億円を超える高額投資にもかかわらず、複数棟を購入したオーナーも少なくなかったようです。

スマートデイズのセミナー映像

セミナー内容は、現状の賃貸事情から賃貸課題を導き出したスマートデイズが、未来を予測。これからの賃貸事情が大きく変化していく(するべきだと)考え、まだ見ぬ潜在ニーズを見越してシェアハウスへ投資することで大きく儲けましょうという内容になっていました。セミナー内容を全て見終えると、賃貸問題だけではなく非正規問題の課題も解決できる社会貢献性が高いビジネスモデルに思えてきます。

ただのプレゼン型営業ではなく、仮説型かつ課題解決型のプレゼンといった、コンサルティング会社がクライアント企業の課題を解決するような非常に完成度が高いプレゼン内容です。

スマートデイズのシェアハウスへ投資することは、企業の新規事業立ち上げに近い印象を受けました。企業にとっては、現在実在しないビジネスモデルに対して、投資することはよくあることだと思います。実際に、仮説が正しければ、儲かり、仮説が間違っていれば机上の空論で終わってしまうそれだけです。企業の場合だと、失敗はプロジェクトマネージャーが叱責されることなります。ですが、詐欺として罵られることは無いはずです。

今回の場合、企業ではなく一般の人が、その夢にBET(=投資)して失敗しただけなので、それを詐欺だと言うのは違います。

ですが、スマートデイズがオーナーへ行った説明に嘘があったり、ビジネスモデルを成功に導く努力を怠っている事実があれば、話は別になります。なので、ここからはスマートデイズが実際にビジネスモデルを成功させるための努力をしたのか?、そこに嘘は無かったのか?を確認していきたいと思います。

問題点

前章で、かぼちゃの馬車のビジネスを解説してきました。ここでは、事件の問題となったポイントをサブリース・銀行融資・物件価格に分けて解説していきます。

サブリース(家賃保証)

サブリース(家賃保証)とは、サブリース会社がオーナーから1室~1棟を毎月定額で借り上げ、借り上げた金額以上で入居者へ貸し出すことで利益を得ることを言います。オーナーにとっては、サブリース会社が常に借りた状態になるので、安定した賃貸経営が実現できます。

スマートデイズは家賃を30年間保証すると説明してオーナーを勧誘していました。もし、仮に現在の家賃相場に対して、相当低い金額で家賃を保証していた場合であれば、この30年間保証も無謀な数字ではないかのかもしれません。ですが、調査結果によるとスマートデイズは相場よりも高い金額の家賃保証をオーナーへ保証するとしていたようです。例えば足立区の1K20㎡前後で6~7.5万円が相場の地区へ、スマートデイズはトイレ・浴場が共同かつ1部屋7㎡というシェアハウスに対して、7万円の家賃保証を行っていたようです。結果、入居率は低迷していくことになりました。

スマートデイズ前社長の大地則幸氏が著書のこちら「家賃0円・空室有」でも儲かる不動産投資 脱・不動産事業の発想から生まれた新ビジネスモデル によると、実はスマートデイズが、目指したビジネスモデルは入居者から家賃収入を得るものではなかったようです。

「人材紹介の報酬」「入居者は試供品・化粧品のモニター報酬」「婚活パーティー斡旋報酬」この3つの収益を柱と家賃収入の代替と目指したようです。

複数の企業と提携しながら、入居者である地方出身の若い女性を企業とマッチングくさせて年収から25%程度の紹介手数料を報酬として企業から受け取ることで、家賃をタダにするというものです。且つ、若い女性に化粧品のアンケートモニターとして協力してもらい、化粧品メーカーからも報酬が入ります。希望する女性には、婚活パーティーへ参加させてそこからもキックバックをもらうことで、こられ全てを足してサブリースの原資にする設計をしていたようです。

2018年1月のオーナー向けの説明会で発表された「かぼちゃの馬車」実際の入居率はわずか4程度だったそうです。不動産投資において、1棟の損益分岐点は稼働率60%前後で設定されていることが多いため、今回のケースだとサブリース事業は赤字経営になっていると予測されます。

つまり、スマートデイズがかぼちゃの馬車で描いた未来は、全て机上の空論で終わったということです。

銀行融資

第三者委員会調査報告書によると、スマートデイズは銀行の担当者と共謀して銀行の融資審査を通す目的で預金通帳や源泉徴収票の写し等の改ざんを行っていました。つまり、返済余力や資金が弱いため、不測の事態へ対応が出来ないということになります。今回のケースがまさにそうです。

これは、オーナーが知りながら行っていたケースが多く違法性は無いものの、銀行との約款には違反する行為のためスマートデイズ、銀行、オーナー共に健全的とは言えません。

物件価格

1棟販売するごとにキックバックを建築会社から受け取っていたそうです。もちろんキックバックを受け取ること自体は違法ではないので問題ないのですが、キックバックの利益率が高すぎることが問題だったようです。利益率が高いというのは、そのキックバック分の金額が物件価格へに乗っているということになるため、相場価格よりも高い物件ということになります。

楽街新聞社によると建築費の50%が建築会社からの報酬としてスマートデイズへ流れていたようです。土地についても、キックバックや中間省略として、売主として抜いていた可能性もあるとのことです。

引用:楽待不動産投資新聞https://www.rakumachi.jp/news/column/218907

物件価格が高いこと自体に違法性はありません。ですが通常、不動産販売会社の利益率が10~25%が多いことを考えると、健全的だとは言えません。

あとは、営業が物件価格を問われた際に価格の資料やトーク内容に虚偽があったのか、否かも重要な詐欺としてのポイントになりますが、事実は不明のため、物件価格に違法性は無かったものとします。

結論:結果的にポンジ・スキームとなってしまった

スマートデイズは収益設計をいくつか作りましたが、全て机上の空論で終わったため、オーナーへの配当であるサブリースを維持できませんでした。結果として、かぼちゃの馬車は失敗に終わり「ポンジ・スキーム」となってしまったようです。

ですが、収益設計の失敗以上に、相場価格以上の割高物件を販売していたことや、銀行への約款違反など、それらは健全的な経営と言えるものではありませんでした。そのため、ビジネスモデルが失敗した今、詐欺と罵られてもしょうがないことだと思えます。

且つ、賃貸の入居率等も当然事実以上に盛っていたため、そこに関しては詐欺としての要素があります。

それでは、最後にオーナーが今後騙されないにするには、どうすれば良いのか?を考えて締めたいと思います。

財務諸表を確認

サブリース業者から財務諸表を見せてもらい、税理士等の専門家へ相談しましょう。ただし、基本的には企業が財務諸表を開示することの方が稀なため、あまり現実的な方法とは言えません。ですが、トライするのはタダなので聞くだけ聞いてみましょう。

再シミュレーション

実際に物件を現地へ行って物件を確認します。提案されている事前情報と差異はないのか確認して、近隣の家賃相場と比較することで適正か精査します。厳しい目でシミュレーションを行うことが重要になります。

近隣の家賃相場と比較するコツは、坪単価(3.30578㎡)で比較することです。たとえば①「新築22㎡家賃10万円」と②「築15年15㎡7万円」の物件と比較するとします。

22÷3.30578=6.65坪、10万円÷6.65坪=坪単価15,037円・・・①

15÷3.30578=4.53坪、7万円÷4.53坪=坪15,452円・・・②

つまり、②の方が、家賃価格の設定が高いことになります。仮に②へ投資する場合は、築15年にも関わらず、なぜ高いのかを考察していく必要があります。

このように、業社から提案された情報を鵜呑みにしないで、自ら考えることが不動産投資では最も大切です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です